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食物アレルギー

お子様の食物アレルギーに悩むお母さんお父さんへ。

食物アレルギーの主な原因となる食べ物、症状、診断方法、アトピー性皮膚炎との関連、予防、当院の取り組みなどについてご紹介します。

目次

食物アレルギーとは?

食物アレルギーとは、『食物によって引き起こされる抗原特異的な免疫学的機序を介して、生体にとって不利益な症状が励起される現象』と定義されています。

食物またはその成分がアレルギー症状に関与している場合は、そのアレルゲンの侵入経路を問わず、食物アレルギーとされます。

食物アレルギーが起きると、皮膚、粘膜、呼吸器、消化器、神経、循環器などの様々な臓器に症状が誘発されます。

食物アレルギーの主な原因食物は?

食物アレルギーの有症率は、乳児期が最も高く、加齢とともに減少していきます。

日本の食物アレルギーの主な原因食物は鶏卵、牛乳、小麦です。

食物アレルギーの主な症状は?

乳幼児期に多い即時型食物アレルギーと言われる反応は、アレルゲンとなる食物を食べてから1〜2時間以内(多くは15分以内)に、アレルギー症状が出てきます。

主な症状は以下の通りです。

  1. 皮膚症状:掻痒感、蕁麻疹、紅斑など
  2. 粘膜症状:目の充血、鼻汁、唇や舌の違和感、腫脹
  3. 呼吸器症状:喉の違和感や掻痒感・飲み込みにくさ、咳、呼吸困難
  4. 消化器症状:吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、血便
  5. 神経症状:頭痛、活気の低下
  6. 循環器症状:顔面蒼白、血圧低下など

鶏卵、牛乳、小麦、大豆は自然に耐性を獲得する可能性が高いと考えられています。

乳幼児期に発症する食物アレルギー児は、その後、喘息やアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎などを高頻度に発症するリスクが高まりますので、注意深く外来でフォローしていく必要があります。

食物アレルギーの診断方法

食物アレルギーが診断されるきっかけとなるものは、食物アレルギーに関与する乳児アトピー性皮膚炎に関連するものと、即時型アレルギー症状(口腔アレルギー症候群や食物依存性運動誘発アナフィラキシーを含む)のエピソードによるものが多いです。

それぞれの診断の流れは以下となります。

①食物アレルギーに関与する乳児アトピー性皮膚炎

湿疹などの慢性的な症状に対しては、まず詳細な問診の上で、適切なスキンケアや薬物療法、環境整備などを行って症状の改善は図ります。

改善が認められない場合は、可能性のある食物について血液検査(特異的IgE抗体検査)を行います。

その結果から原因と疑われた食物については食物除去試験を行います。

多項目の感作陽性を認めた場合は、食物経口負荷試験を行っていきます。

(※食物経口負荷試験は入院管理下で行うのが安全と当院は考えておりますので、適切な総合病院に紹介させて頂きます。)

②即時型食物アレルギー症状

前述した即時型食物アレルギー反応を発症し、食物アレルギーの関与が疑われる場合は、その食品について血液検査を行います。

明らかな因果関係が予想される症状の病歴と血液検査の結果が一致する場合は食物アレルギーと診断出来ますので、食物経口負荷試験は基本的に不要と考えます。

アトピー性皮膚炎と食物アレルギー

アトピー性皮膚炎を発症しているお子様は、そうでないお子様と比較して、食物アレルギーになるリスクが6倍以上と報告されています。

大規模な研究では、3ヶ月乳児における湿疹の重症度が食物への感作のリスクを増大させると報告されるなど、皮膚の乾燥やかゆみで掻きむしることにより皮膚のバリア機能が低下することにより、食物アレルギーを引き起こすことがわかってきました。

食物アレルギーの予防

食物アレルギーの予防としては、感作の予防である一次予防と、感作成立後の発症予防である二次予防に分けられます。

一次予防としては、生後早期から保湿剤によるスキンケアを行うことで、アトピー性皮膚炎を30〜50%程度予防出来る可能性が示唆されましたが、食物アレルギーの発症予防効果は証明されていません。

しかし、アトピー性皮膚炎を発症しているお子様は食物アレルギーを発症する可能性が高いことを踏まえると、アトピー性皮膚炎の発症予防が食物アレルギーの予防に繋がると考えております。

二次予防としては、発症予防を検討する研究がされていますが、いずれもエビデンスに乏しく、予防効果がはっきりしているものはありません。

すぎの大人こどもクリニックの取り組み

当院では、血液検査(特異的IgE抗体検査)を実施しております。

その結果に基づいて原因と疑われた食物について食物除去試験等を行い、お子様の今後の食生活についてスタッフ一同でサポートさせて頂きます。

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