消化器内科とは
そもそも『消化器』とはなんでしょうか?
消化器とは、その名の通り「食物を消化するための器官」です。
口から肛門まで続く消化管(口腔・咽頭・食道・胃・十二指腸・小腸・大腸・盲腸・虫垂・直腸・肛門)と、消化管の外側にある臓器(膵臓・肝臓・胆嚢)で構成され、それらを総称して消化器と呼びます。
人が何か食物を食べるとそれは口から食道に入り、食道から胃に運ばれ、胃で胃液によって消化されます。そして、胃で消化されたものに含まれる栄養素を小腸で吸収し、残りのかすが大腸から肛門を経て体外へ排泄されます。
消化器内科は他にも「胃腸科」「大腸肛門科」「内視鏡内科」などと呼ばれることもありますが、基本的にこれらは全てほぼ同じものです。
消化器疾患によくある症状
お腹が痛い・胃が痛い
腹痛はさまざまな疾患が考えられますが、どんな時に痛くなるかを詳しく教えていただけると診断の手がかりになります。
例えば、空腹時には痛みを感じるのに食事をすると痛みが軽くなる場合は十二指腸潰瘍、食事中や食後に胃の痛みを感じる場合は過敏性腸症候群、中高年者だと胃がん・大腸がんなども考えられます。
食欲がない
食欲不振を起こす原因もたくさんありますが、その中でも特に胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃炎などの消化器病が多くみられます。インフルエンザなどの感染症、胃がんなどの悪性腫瘍の可能性もあります。
または精神的なストレスからくる神経性食欲不振かもしれません。さまざまな可能性が考えられるので、普段の生活や不安などもお伺いして原因を突き止めます。
便秘
便が硬く、3日以上便が出ない状態を一般的に便秘と呼びます。
一時的なストレスで起こる一過性の便秘から、高齢者に多い膨満感、神経質な性格やストレスの多い職業によくある便秘と下痢を繰り返す過敏性腸症候群のような慢性的な便秘まであります。
下痢
下痢にも急性と慢性があります。急性下痢の多くは食中毒などの感染症や食物アレルギーで、数日で自然に治るものもあります。
一方、1ヶ月以上続いたり反復して現れる下痢は慢性下痢です。この場合、感染性腸炎、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群などが考えられます。
血を吐いた(吐血)
赤黒い血を少量吐いた出た場合は、胃がん・食道がん・胃潰瘍・十二指腸潰瘍・食道静脈瘤・急性胃粘膜病変・逆流性食道炎・マロリーワイス症候群などが考えられます。
一方、鮮やかで真っ赤な血を大量に吐いた場合は、食道静脈瘤破裂や胃潰瘍からの動脈性出血が多くみられます。
便に血がついていた(下血)
下血には赤い血便と黒い黒色便(タール便)とに分けられます。
鮮やかな赤い血が混じった血便は小腸・大腸からの出血が多く、大腸がん・大腸ポリープ・痔核・潰瘍性大腸炎・クローン病・大腸憩室症・虚血性大腸炎・感染症腸炎・抗生物質による薬剤性腸炎などが考えられます。
イカ墨のようにドロっとした黒い黒色便(タール便)は胃潰瘍・胃がん・食道静脈瘤・出血性胃炎などが考えられます。
上記は一例です。消化器疾患にかぎらず、どんな病気でも早期の発見・治療が重要です。
少しでも気になる症状がありましたらお早めににご相談ください。